その壱
20日前の朝、佳佑はだるかった。
昨日の取引先のコンピュータシステムの通信障害で、
午前様の帰宅だったのもあるが、
今日は、もう忘れかけた記憶の中学時代の同窓会がある。
本来なら、馴染みの連中は今でも付き合いがあるので、出席する筋合いもない。
ただ、他のクラスだった幹事が几帳面で、
同窓会と言うより、パーティー形式の企画で、
妙に興味を沸かせる案内ハガキだったので、
つい、うっかり出席に○を書いた次第だった。
赤坂某ホテルで会費5000円も魅力だった。
同窓会と言うより、異業種交流会の乗りで考えた。
だるかっから、永田町の駅に午後七時で、
井藤と待ち合わせなので、連絡して欠席失礼対応でも良いと思った。
15年前の同窓会なのでこれぞ、という物もない。
増して、今日定時で帰れる保証も無い。
何時もの朝の様に、
写真立てに、おはようさん、と呟き、
何時もの朝の様に、
朝飯オフで、マンションのエレベーターに乗った。
資源ゴミの日だったのを途中で思い出したが、
引き返すのは面倒なので、そのまま駅に向かった。
(続く)









